「地球の反対側 ブラジルに思いを馳せて」黒木あすか
1ヶ月程前、私は地球の反対側のブラジルに1週間滞在し、宮崎県出身の方々、日系の方々と歌を通じて交流をさせていただきました。そこには、宮崎県の事を母なる県”母県”と呼び、慕ってくださっているたくさんの方々がいらっしゃいました。
私が、在ブラジル宮崎県人を知ったきっかけは、我らが学園の大宮高校OBで、宮崎県人会前会長で、昨年、交通事故で他界された故谷広海氏のインタビュー記事を拝読したことでした。
「絶対にブラジルにいって、歌わなきゃ!」と強く願い、本当にたくさんの方々のご支援により、私の夢が実現しました。
谷前会長は、早稲田大学政経学部卒業後、単身渡伯し、ポルトガル語をゼロから学び、ブラジルで弁護士となり、言葉の壁で苦労していた日系人のために、弁護士として活躍し、先見の明により、実業家としてもブラジルで成功を収めた稀有の存在でした。
昨年9月にMRTラジオ936薗田潤子さんの番組「サンデーラジオ大学」に出演した際、生まれ育った江平界隈の想い出深いお話や、まだまだこれから、日系人の日本語教育などにも力を注いでいきたいと、夢を語られていました。
2014年は、ブラジルからの県費留学生がゼロでした。
受給要件である日本語検定2級の合格者がいなかったためだそうです。
英検1級に合格する日本の小学生はいても、日本語検定1級に合格できる日本の小学生はいません。日本語は他の外国語に比べても、難易度の非常に高い言語です。
県費留学生が1年後、もしくはブラジル帰国するまでに日本語検定2級に合格することを条件にするのではダメでしょうか?
ブラジルでは、日系人でも、日本語よりもビジネスに繋がる英語を子供達に学ばせる機運が高まっています。
そんな中、ブラジルと日本の未来の架け橋となる県費留学生制度は絶やさないで欲しいです。
「高千穂の夜神楽を、遠く離れたブラジルの宮崎県人の皆さんにも見せてあげたい」
故谷広海氏の夢は実現し、現地ブラジルで大成功を収めました。
谷前会長も、きっと雲の上から喜んでくださっていたでしょう。
黒木 あすか
宮崎市出身 4歳よりヤマハ音楽教室でピアノを始め、大宮高校時代に本格的に声楽家を志す。
東京藝術大学声楽科卒業後、ロータリー財団奨学生として王立ウェールズ音楽院大学院を奨学金を得て卒業。
イギリス・カーディフのミレニアムスタジアムで開催された日本対ウェールズのラグビーマッチにて5万人の聴衆の前で君が代を独唱する。
シュトゥッツガルト・フェスティバル・アンサンブルにオーディション合格を経て、欧州ツアーに参加。欧州では合唱団やオペラ団体にソリストとして多数の音楽プロジェクトに参加、アイルランド政府奨学生となる。
現在は、地元宮崎を中心にラジオ・パーソナリティやテレビ・レポーターとして音楽の楽しさや宮崎の素晴らしさを発信することを目標とし、作曲も手がける。
黒木あすかホームページ:http://www.asukasoprano.com
黒木あすかブログ:http://ameblo.jp/voiceoflife/