平成27年2月28日(土)13:30から体育館にて弦月同窓会入会式が行われました。
普通科356名、文科情報科82名、合計438名が新たに弦月同窓会の仲間になりました。
式では青木会長の挨拶の後、代表の櫻屋透真さんに卒業記念品の時計が授与されました。
続いて、入会者を代表して渡久山志織さんが挨拶を行いました。
迎える同窓会の一員として非常に感動する挨拶でしたので、ご紹介したいと思います。
挨拶全文
ただ今は、私たち第六十七回卒業生の同窓会入会に際しまして、心強いお言葉をいただきありがとうございました。明日で私たちはこの宮崎大宮高等学校を卒業し、弦月同窓会の仲間入りをさせていただきます。長い伝統を持つ弦月同窓会の一員となれますことを心よりうれしく思います。
入学式から早くも三年の月日が経ちました。今振り返ってみると、私たちは多くの方々に支えられてきました。暗いうちから登校して机に向かう友人の姿に励まされて臨んだ朝の課外。行き詰まりそうになりながらの仲間のひたすら打ち込む姿に勇気をもらった部活動など。また、こうした私たちの努力を温かく見守り、時には厳しく導き、常に夢を応援してくださった先生方、そして家族には感謝の気持ちでいっぱいです。
同窓会に入会するにあたり、受け継ぐという意味を考えてみたときに、私はある人物を思い浮かべます。その人物は、四世紀中国東晋の文化人で、書家として名を残す「王義之(おうぎし)」です。王義之の直筆の書は現在は失われています。しかしその真筆を模写した写本や石碑に刻まれた筆跡を紙に写し取った拓本などにより、王朝が移り変わり、時に戦乱の危機にさらされながらも、今日にその息づかいが伝えられ、書を志す多くの者の手本となっています。
このように、先人たちの足跡や志、そして追求した真理は、実態そのものが失われようとも、様々な姿で後世へと伝わり、それぞれの時代を生きる人びとの「確かな礎」となっていくものではないでしょうか。
いま私たちが生きている日本では、少子高齢社会の到来や、人口減少が現実のものとなっており、今後活力をどのように維持、発展させていくかが課題となっております。世界に目を転じますと、かつてない情報化社会となり、人や物の動きも国境を越えて活発に行われるグローバル化が年々進んでおります。地球温暖化の進行に歯止めを掛け、環境保全を図ることも重要な課題です。さらに最近では、豊かさの偏在、すなわち格差社会がもたらす様々な影響も指摘されています。
私たちはこれまでに経験のない時代を生き、課題と向き合っていくことになりますけれども、この伝統ある学舎で三年間を過ごすなかで、それぞれの道でそれらの課題に取り組み、社会に貢献していく基本的な知識や心構えを身につけることができたように思います。将来、宮崎、日本あるいは世界のどの場所で生活を営むこととなりましても、宮崎大宮高等学校で学んだこと、そして弦月同窓会の先輩方が受け継いでこられた志を私たちの「確かな礎」とし、新たな時代を切り開いていくために努力いたしますことをお誓いして、同窓会入会のあいさつといたします。